DICK FRANCIS

 ディック・フランシスの作品に出会ったのは大学一年の夏。僕はもともと本を読む習慣がほとんどなかったけど、ふとしたきっかけから『暴走』という作品を読み、それ以来「競馬シリーズ」にはまっています。個人的に競馬にはほとんど興味がないけど、この「競馬シリーズ」は競馬のことを知らない人でも十分楽しめるはず!(競馬ということで敬遠している人も多いのでは・・・?)
 彼の作品の中で僕が特に魅力を感じるのは、主人公の性格。登場する主人公達は皆共通してクールでユーモアのセンスを持っています。そして独身(例外もあるけど)。どんな状況においても常に冷静に逆境をはねのけていく・・・。これが読んでいて痛快なのです。また、ディック・フランシスのすごいところは、さまざまな題材を取り上げているけど、その題材ごとに徹底的に調べているところ。決して手を抜いたりしない。だから、彼の作品には誠実さも感じるし、とてもリアリティを感じます。
 さらに下の年譜にもあるように、1956年にデヴォンロック号事件が起きました。彼はチャンピオンジョッキーになることはできたが、この事件のためについにグランド・ナショナルで優勝することは出来なかった。このミステリアスな事件が、彼がミステリー作家になるきっかけになったのかも・・・?

ディック・フランシス年譜

1920年 英国ウェールズ、ペンブロークシャーのテンビーで生まれる。父も祖父も元騎手。
1946年 アマチュア障害騎手としてデビュー。ラッシャンヒーローという馬で4着になる。
1947年 メアリ・マーガレット・ブレンチリーと結婚。のちにメリックとフェリックスの二人の息子が生まれる。
1948年 プロの障害騎手となる。イングランドで最高の馬の所有者といわれるビスター卿の専属騎手になる。
1953年 翌年にかけて障害の全英チャンピオン・ジョッキーとなる。
1956年 有名なデヴォンロック号事件が起こる。皇太后の持ち馬で、グランド・ナショナルでの優勝を目前にしたフランシス騎乗のデヴォンロックが、突然ゴール前で転倒。原因はいまだに不明。《リヴァプール・ポスト》は、「スポーツ史最大の悲劇」と形容した。自伝『女王陛下の騎手』を書き始める。
1957年 騎手生活を引退。《サンデイ・イクスプレス》紙の依頼で競馬記事を毎週書くようになる。『女王陛下の騎手』が出版され、初版が一週間で売り切れる。
1962年 メアリのすすめもあって書いた小説第一作『本命』を出版、好評を得る。以降、一年に約一冊のペースで出版していき、数々の賞を受賞する。詳しくは作品紹介にて。